安全・安心で持続可能なスマートシティと IoT


​​​​スマートシティはもはや未来の夢はでありません。非常に革新的なソリューションであるモノのインターネット(IoT)を用いることで、実際に多くの街が機能しはじめ、急速に拡大しています。多くの自治体がセルラーLPWAN (省電力広域ネットワーク) 技術を活用して、住民ならびに訪問者のために、インフラを結び付け、効率性、利便性、生活の質を改善しています。​

 

スマートシティとは?

スマートシティとは、主に情報通信技術(ICT)からなるフレームワークで、増大する都市化にまつわる課題に対処するための持続可能な開発プラクティスの開発、展開、および推奨を行います。この ICT フレームワークは、コネクティッドオブジェクトと無線技術とクラウドを使用してデータを送信する機器からなるインテリジェント・ネットワークが重要な部分をなします。クラウドベースの IoT アプリケーションがデータをリアルタイムで受信、分析、管理し、自治体、企業、市民が生活の質を向上させる際によりよい決断を下せる手助けをします。

市民は、スマートフォン、携帯機器、コネクティッドカー、コネクティッドホームを使ってさまざまな方法でスマートシティ・エコシステムに関わります。都市の物理インフラとサービスを機器およびデータと結び付ければ、費用を削減しながらサステナビリティを改善できます。IoT を活用すれば、それぞれのコミュニティがエネルギーの流通を改善させ、ごみ収集の合理化、交通渋滞の解消、もしくは大気環境を改善することもできます。​​
Connected Cars, connected traffic lights for real time traffic; smart city technologies are optimizing infrastructure, mobility, public services and utilities
たとえば、ネットワークに接続した信号機の場合、センサーと車両からデータを受信してリアルタイムの交通の流れに対応して信号のリズムとタイミングを調整し、渋滞を軽減できます。コネクティッドカーはパーキングメーターや EV 充電スタンドと通信を行い、最寄りの利用可能な場所へと直行することができます。スマートごみ箱の場合、自動的にデータをごみ管理会社へと送信すれば、決められた時間に収集する代わりに必要に応じて収集できるようになります。市民が所有するスマートフォンが運転免許と身分証の代わりとなり、行政サービスの迅速化および簡略化に繋がります。こうしたスマートシティ技術を用いることで、インフラ、モビリティ、公共サービス、施設の利便性を最適化します。

スマートシティの必要性

都市化とは今後避けられない現象です。今日(こんにち)、世界の人口の 54% が都市に住んでおり、2050年にはその割合が 66% になると推測されています。1全体的な人口増加も伴って、今後 30 年間で都市の人口は 25 億人増加するとみられます。2都市のリソースに対して大きな負担となるこの急激な人口増加に、環境面、社会面、そして経済面の持続可能性が遅れずについていかなければいけません。

幸いなことに、190 以上の国々が持続可能な成長という目標に同意しました。こうした目標を達成し、成功を収めるうえで、スマートシティ技術は不可欠な要素です。

What is a smart city?

スマートでより良い街を作るために IoT 技術が果たす役割​

安全な無線通信環境と IoT 技術により都市生活に昔からある信号機のような構成要素が、新たな機能を備えた次世代のインテリジェント信号プラットフォームへと姿を変えています。ソーラーパワーを取り入れ、エコシステムの他の資源と連携するクラウドベースの中央管理システムに接続します。

こうしたソリューションはこれまでの単純な信号機の役割とは一線を画します。高性能の埋め込み式 LED が通勤する人々に交通の状況を知らせ、悪天候や火災などの環境変化を警告します。街灯を使って無料の駐車スペースや EV 充電スタンドを検出し、携帯アプリを通じてドライバーに駐車できる場所を知らせることができます。場所によっては、街灯から充電が可能なところもあります!興味深い話ですがこれらが一つになる姿は想像できません。

スマートシティを成功へと導く 4 つの重要な要素

人々、住居、商業、これまでの都市のインフラに加えて、スマートシティを成功させるための重要な 4 つの要素があります。

  1. 無線ネットワークの普及
  2. オープンデータ
  3. 信頼できるセキュリティ
  4. 柔軟性のある収益化計画

一つずつ詳細に見ていきましょう。

スマートシティに最適な無線技術とは?

スマートシティに欠かさせない最初の構成要素は、信頼性のある広範囲にわたる無線ネットワークです。万能な解決策はありませんが、進化を続ける省電力広域ネットワーク(LPWAN)は費用効率が高く、普及率の高さから、スマートシティのさまざまな用途に適した技術です。LTE Cat M、NB-IoT、LoRa、Bluetoothなどが、コネクティッドシティを構成するうえで役立ちます。5G の出現が、スマートシティ技術を主流へと押し上げ、新たな展開を加速させる重要な分岐点になると期待されています。ただし、他にも重要な要素はあります。

データを開放する

これまで、政府機関、企業、個人がそれぞれ自分たちのデータを保管し、他者との共有はほとんど考えられませんでした。プライバシーへの懸念とセキュリティ侵害への不安が、情報共有による価値を遥かに上回っていました。しかしながら、持続可能なスマートシティ実現の重要要因は、複雑なエコシステムに参加するすべての主体が情報を共有し、リアルタイムで分析が行われるコンテキストデータと組み合わせることなのです。これにより、十分な情報を収集した上での決断が下せるようになります。複数の部門が協力して、部門別の情報および制御テクノロジー(OT)システム間で共有するコンテキスト情報をリアルタイムで分析することで、より優れた持続可能な成果を達成する必要があります。

アムステルダムはデータを開放することで素晴らしい成果をあげている優れた接続性を持つスマートシティの輝かしい一例です。交通および輸送機関のデータを都市の輸送システムに接続する地図作製アプリの開発会社といった利害関係者に提供しています。これで誰もが簡単に街中を移動することができます。さらに、市は「Roboat」と呼ばれる自動運転ボートを開発し、効率よくモノの輸送を担います。他にも、持続可能な省エネ住宅により都市部の人口過密問題を解決しようとする、 水上ビレッジ という住宅も支援しています。コミュニティ内で発電を行い、水は直接川からくみ上げ、それぞれの貯水タンクでろ過を行います。すべてデータを共有することで実現しました。

コペンハーゲンでも マサチューセッツ工科大学 (MIT) との協力の下、オープンデータを活用して革新的なスマートバイクシステムを開発しました。組込式のセンサーで搭乗者および管理者の両方にリアルタイムで情報を提供します。データを共有することで、大気環境および交通渋滞の監視および管理を行います。

データ共有が重要である一方で、データを開放するということは、サイバー攻撃の標的にもなります。利害関係者の間で共有を進める一方で、どのようにしてその他大衆からデータを守るのでしょうか?

スマートシティの安全性と信頼性

Secured and trusted smart citiesネットに繋がったカメラ、高度道路システム、治安監視システムが安全性を高め、必要に応じて市民を守る緊急支援の役割を果たします。ただし、スマートシティ自体を脆弱性から守るものはなんでしょうか?ハッキング、サイバー攻撃、データの盗難から守る方法は?複数の参加者がお互いに情報を共有する都市において、それぞれの参加者の身分を信頼することはできるのでしょうか?またそういった人々から送られてくるデータの信頼性と精度をどのように担保するのでしょうか?この答えは、物理的なデータ保管庫、強力な認証、ID 管理ソリューションにあります。

これらが信頼できなければ、スマートシティは機能しません。政府機関、企業、ソフトウェアプロバイダー、デバイス製造メーカー、エネルギー供給会社、ネットワークサービスプロバイダーといったエコシステムのパートナーすべてが、それぞれの責任を果たし、次の 4 つのセキュリティ方針に従う必要があります。

  1. 可用性: 実用的でリアルタイム、信頼性のあるデータへのアクセス方法がなければ、スマートシティの成功はありません。データを収集、要約、共有する方法は重要で、セキュリティソリューションが可用性に悪影響を及ぼさない。
  2. 完全性: スマートシティは信頼の出来る正確なデータに依存します。データの正確性を担保する方法、データ改ざんを防ぐ対策を講じること。
  3. 機密性: 収集、保管、分析するデータの中には消費者自身の機密情報が含まれることがあります。機密情報を承認なく公開してしまうことがないよう対策を講じる必要があります。
  4. 説明責任: システム使用者は自分自身の行動に責任を負います。機密情報を扱うシステムに対する操作はすべて記録に残し、特定のユーザーと関連付けるようにします。ログは容易に改変できない、強力な完全性保護の仕組みが必要です。

こうしたセキュリティに関する重要な対策を実施するには、強力な認証システムと ID 管理ソリューションをエコシステムに統合して、承認された関係者のあいだでのみデータを共有するようにしなければいけません。そうしたソリューションで、バックエンドのシステムを侵入やハッキングから保護する必要もあります。近年のデジタルセキュリティ問題への関心の高まりを受けて、脅威や市場の失敗の可能性に対処するための法律の制定が進んでいます。 アメリカの IoT サイバーセキュリティ向上法などの法案により、コネクティッドデバイスに関する最低限のセキュリティ要件が確立されようとしています。

お金の話:スマートシティの収益化

IoT とスマートシティの時代において、データが新しい石油となります。スマートシティが繁栄するためには、エコシステムに参加する関係者全員の成功を推進する持続可能な商業モデルを確立する必要があります。ソフトウェアを IoT ソリューションの構成に組み込むことで、OEM、開発者、インテグレーター、政府機関などエコシステムに貢献する人々すべてが利益を受け取れるようになります。

それぞれのメンバーが持つ知的財産を重要視し、見返りを与える必要があります。サブスクリプションソフトウェアの機能により、エコシステムに貢献する人々が、貢献度に応じた価値を受け取れる新しいビジネスモデルを可能にします。サブスクリプションベースのモデルは、スマートインフラ構築に必要なハードウェアおよびソフトウェアを収益化すると同時に、従来型の一括して巨額の設備投資行う必要がなくなり、経費を分散させる方法を提供します。MRI スキャナーといった高額な医療機器を病院が一括で前払いする代わりに、一回のスキャンごとの費用という単位で使用できるようにもなります。この方法ならば、病院およびサプライヤーの両方にとり有利な状況が生まれます。近い将来、都市が手頃な料金にて、数々の独自オプションから選択できるオーナーたちのあいだで共有する車両フリートのサブスクリプションの提供を始めます。これは交通量を大幅に減らし、交通パターンとライドシェアを最適化できます。

都市部はこれからも成長し拡大し続ける中、スマートシティ技術は持続可能性を高め、人類に役立つ形で拡大していきます。ネットワークの普及、オープンデータ、エンド・トゥ・エンドのセキュリティ、ソフトウェアによる収益化ソリューションを活用して、エコシステムのパートナー全員に大幅に改善した体験を届けるという進化しつづけるスマートシティのニーズを提供することができます

信頼性のあるスマートシティ IoT ソリューションに関する詳細は、 地域の担当者までお問い合わせください。.

1 https://esa.un.org/unpd/wup/publications/files/wup2014-highlights.pdf
2 https://www.un.org/development/desa/en/news/population/world-population-prospects-2017.html